目標の“見える化”入門 Looker Studioで始めるダッシュボードの基本

目標の“見える化”入門 – インフォグラフィック

🎯 目標の“見える化”入門

1. なぜ「見える化」が重要なのか?

チームの目標達成において、全員が同じ方向を向いて走ることは不可欠です。しかし、目標が曖昧だったり、進捗が分からなかったりすると、メンバーの足並みは自然と乱れてしまいます。「見える化」は、目標と現在地を明確に共有し、チーム全体を同じ目的地へと導くための、最も強力な羅針盤となるのです。

2. ダッシュボードとは何か?

定義:目標達成へのコックピット

ダッシュボードとは、KGI(重要目標達成指標)KPI(重要業績評価指標)など、目標達成に必要な数値を一つにまとめて可視化するツールのことです。車の運転席のように、一目で状況を把握し、次のアクションを判断するためのものです。

KGI: 在院日数◯日 / 在宅復帰率◯%
KPI: 1患者あたり単位数◯◯
KPI: 1日あたり出勤スタッフ数◯人

KGIという最終目標を、具体的な行動指標であるKPIに分解して観測します。

Google Looker Studioの特徴

数あるBIツールの中でも、Google Looker Studioは特に始めやすい選択肢です。

  • 完全無料:高機能なダッシュボードをコストゼロで作成可能です。
  • 簡単連携:Google Analyticsやスプレッドシート等、多くのサービスと簡単に連携できます。
  • 直感的:プログラミング知識がなくても、ドラッグ&ドロップで操作できます。

3. 「見える化」が行動を変える理由

例:数値が“共有されていない”現場 vs “されている”現場

指標の共有は、チームの意識と行動に大きな差を生みます。下のグラフは、目標達成に向けたチームの主体的な行動量をイメージ化したものです。

※イメージ図。行動経済学の理論を基に作成。

経営と現場の“ズレ”はなぜ生まれる?

経営層は「全体の数字」を見ていますが、現場は「日々の業務」に追われています。この視点の違いが、認識のズレを生み出します。「見える化」は、この両者の間に「共通言語」としての指標を置くことで、ズレを解消する架け橋となります。

指標が人の行動に与える影響

数字が公開されると、人は無意識にそれを意識するようになります(ホーソン効果)。また、明確な目標とフィードバックは、モチベーションを高める上で非常に重要であると心理学的にも証明されています(目標設定理論)。

4. どんな指標を見える化すべきか?

【✍️ 演習】あなたのチームの指標を考えよう

ただ数字を並べるだけでは意味がありません。以下の質問に沿って、本当に価値のある指標を見つけましょう。

  1. 自部署の「最終目標(KGI)」は?
  2. そのための「行動(KPI)」は?
  3. その数字は誰にとって「意味のある」ものか?
  4. その数字を見て、具体的な「次の行動」に結びつくか?

⚠️ 指標の数は絞るべき!

多すぎる指標は混乱を招きます。最も重要な3〜5個に絞り込みましょう。

⚠️ 行動を伴わない指標は危険!

見ても「だから何?」で終わる数字は飾りです。必ず具体的なアクションに繋がる指標を選びましょう。

5. ダッシュボード導入の“失敗あるある”

作っただけで満足していませんか?

多くのダッシュボードが形骸化するのには理由があります。これらは、導入が「目的化」してしまった場合に起こりがちです。

  • データが更新されない:手動更新が面倒になり、いつの間にか古い情報に…
  • 使われない・見られない:どこを見ればいいか分からず、誰もアクセスしなくなる。
  • 結局スプレッドシートに戻る:慣れた方法が一番、と元の運用に戻ってしまう。

6. まとめ・次回予告

ダッシュボードは「目的の共有」から始まる

ツール導入の前に、「何のために、誰と、どんな目標を共有したいのか」を明確にすることが成功への第一歩です。

目的の共有 指標の選定 行動変容

次回予告

「実際の操作を通して、自分で作ってみましょう!」
Google Looker Studioを使い、簡単なダッシュボード作成を体験します。